またしてもビタミンの話です。ホルモンも聞いたことがあるでしょう?
両者の違いは何ですか?:もちろん、本学入学後にも習いますが、健康栄養学科志望の高校生の皆さんはもうご存じですよね。後者は人体内部で合成されますが、前者を我々は合成できないのです。
したがって、ビタミンというと不足症が問題となりますが、過剰症がまったくないわけではありません。主に脂溶性のビタミン:代表はビタミンAであり、豚肉に多いとされていますが、豚肉は他のビタミンも多く、毎食でない限り気にする必要はないでしょう。
突然ですが、下記の写真はイギリスのJames Lindです。彼は切手にもなったそうですが、海軍に対してレモンやライムを積み込むことを提唱し、ビタミンC不足による「壊血病」(出血が止まりにくい)の患者の減少に寄与したのです。冷蔵庫のない航海時代では最大の問題でした。
このため、イギリス海軍はライム野郎()Limy)、ドイツ海軍では酢漬けキャベツ(Sauer Kraft, 英:sour cabbage)を持ち込んだため、「キャベツ野郎」と呼ばれました。
今でもドイツ国民は、近隣ヨーロッパ諸国へはソーセージ(Wurst)と一緒に持ちこんで旅するので、他国では余り歓迎されません。
とりあえず健康栄養学科は、学問の成果に基づいて野菜のビタミン類とともに、新潟県産野菜の優秀なところも、発信していくべきだと思っています。
文責:教授 遠藤和男