こんにちは。宮本です。
近年、スポーツにおける相対的エネルギー不足(RED-S)が注目を浴びています。これまでの研究から、栄養摂取において炭水化物摂取が最も重要な要素となっていることが知られています。ただ、様々な情報が飛び交う世の中で、炭水化物=太るというイメージを持つアスリートは多く、必要量の炭水化物を摂取できていない可能性が非常に高いです。実際、私がサポートしている様々なレベルの選手においても、炭水化物摂取は難しく、必要量を摂取することが困難なケースは多く存在しています。炭水化物摂取不足は、エネルギー不足だけでなく、体内の炎症を引き起こす物質の分泌を高め、鉄吸収を阻害するタンパク質の活性を高めることなどが知られています。つまり、炭水化物の摂取不足により貧血を引き起こす可能性が示されています。実際に、選手のデータを見ていると、十分な炭水化物摂取と鉄摂取は、血液検査の結果を大幅に改善させ、競技パフォーマンスを向上させるための強力な方法となることが予想されます。今後も、炭水化物と鉄の重要性をアスリートに訴え続ける必要があると考えています。
私は、PeerJという科学論文を掲載する国際的な学術誌においてRED-Sに関する特集号(Special Issue)の学術編集者(Academic Editor)として編集に関わりました。論文投稿を通じ、様々な提案がなされましたが、まだまだRED-Sに関わる研究者が不足していること、また、世界において多様な研究を進めるまでに至っていないことを強く感じました。国際的に、RED-Sに対して多様な検証が行われる日が来るまで、着実に研究を続けていきたいと考えています。