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2026.01.30

実験のご紹介

こんにちは。教員の青木です。
久しぶりの雪国生活、雪の綺麗さと寒さで、嬉しいやら悲しいやらです。

さて、今日は基礎研究でよく利用される実験手法について少しご紹介します。
現在、世の中には様々な機能性食品や特保と呼ばれるものがありますよね。
それらのエビデンスを取得する際に、基礎研究では細胞の中の様々なタンパク質の発現量や活性度を測定することがあります。
その際に頻用されるのが”ウエスタンブロッティング”と呼ばれる手法です。
誕生してから40年以上の歴史を持ちますが、いまだに多くの研究で利用されています。

皆さんの細胞の中には何万種類ものタンパク質が存在しています。
特定のタンパク質の量を調べたい!と思った時どうすれば良いか。
それを解決するのがウエスタンブロッティングです。
ウエスタンブロっティングの流れとしては下の図にあるように、まずは特定の細胞や臓器からタンパク質を抽出して調整します。
そのタンパク質をゲルの中で泳がせることでタンパク質の大きさごとに分離し(SDS-PAGE)、タンパク質たちを特別な膜に移します(転写)。
その後、自分が調べたいタンパク質だけに結合する抗体と標識抗体を使うことで標識化します(抗原-抗体反応)。
最後に基質液を反応させることで化学発光を発生させ、目的のタンパク質を可視化するという方法になります。

実際に検出するとこんな画像が取得できます(CST社HPより引用)。
黒いバンドがタンパク質の存在を示しています。


当学科の生化学実験でもSDS-PAGEまでがカリキュラム化されており、とても学べることの多い実験だと思います。
ただ、問題点もあり、最後の画像取得には高額な機器が必要となります。

この化学発光は微弱な光で、ほとんどの場合は目で見ることができないレベルのため、本来なら専用検出機が必要となります。
ただ、どうにかして、簡便にそれを検出できないものかと試行錯誤してみました。
そこで思いついたのがスマートフォンを検出機に使えないかというものでした。
いまやほとんどの人が一台は持っていますよね。
スマホレベルでも撮影できるのかという疑問もありましたが、専用の機器も原理としては微弱な光に対してシャッター時間を延ばすことで撮影するものになるので、それを応用してみました。

下記の画像の通り、専用機ほどの綺麗さではないにしろ撮影に成功しました。
(研究では推奨されませんが、見やすいようにコントラストを調整しています。)

ウエスタンブロッティングでは取得した画像のバンドの濃淡・太さを定量することで発現量が増えた(バンドが太い・濃い)、減った(バンドが細い・薄い)ということがわかります。
この画像を論文に使用するというのは難しいですが、自分の持っているスマホで研究に使用するような画像を取得できるというのはなんだかワクワクしませんか?

管理栄養士は栄養のプロとして、このような実験・研究を通して社会に貢献するという道もありますね。

 

 

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