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2023.06.28

スポーツの世界で仕事をするということ

教員の澁谷です。

私は2013年の秋からローイング競技の日本代表チームを運営してきました。
特に2016年までは、日本のローイング競技全体へ向けた強化方針を作成し、世界選手権やオリンピックの選考方針などを作成してきました。
2016年のリオデジャネイロオリンピックの際には、選手の実力が拮抗した中での選手選考を任されました。
選手が人生を賭けて目指してきたオリンピックの選手選考です。あのときのプレッシャーは、これまでの人生の中で感じたことはありませんでした。

日本代表チームとの関わりは、2013年が最初ではありませんでした。
最初に関わったのは、日本ローイング史上最高位を記録した2004年アテネオリンピック(2000年シドニーオリンピックと同位の6位)の頃でした。
アテネオリンピックにおいては、日本代表チームのトレーニングメニューの作成を担当しました。
そのような貴重なチャンスをくれた選手及び当時のヘッドコーチには感謝してもしきれません。人生における最高の経験であったと今でも思います。
 



そもそもスポーツ界にいる人々は基本的に警戒心が強い傾向にあります。それは、外部から来た人に利用されてきた過去を持っているからだと思います。
例えば、管理栄養士としてスポーツの世界に入ろうとしても、そう簡単に受け入れてもらえるものではありません。
技能、発言、行動など全てにおいてそのチームに相応しいのかを、長期間にわたりチェックされます。
実際に、そのチェックの段階でチームから引き離されたスタッフを数多く知っています。

私の場合は、私が大学時代に所属していたチームの先輩に日本代表チームの選手がいたこと、日本のトップチームの中心的な選手がいたことなどもあり、比較的そのハードルは低かったと思います。
しかし、日本ローイング協会内(当時の日本ボート協会内)では「オーソライズされていない人物をそう簡単に日本代表チームに関わらせていいのか」などの意見が出たと聞いています。
その意見は至極真っ当であり、それを聞いて、この組織はまともだと逆に安心したことを覚えています。

とはいえ、スポーツに関わることは非常に楽しくスリリングです。
これからスポーツの世界に入っていくことを目指す若者に助言したいことが4つあります。
それは、1)誰からも疑問を持たれない実力を身につけること、2)常に、自分の知識をアップデートし続けること、3)自身が関わったチームを必ず強豪チームにする強い覚悟を持つこと、4)そして何よりも、選手は人生を賭けて競技を続けているということを「絶対に」忘れないこと、です。
それらを忘れず努力し続ければ、スポーツの世界で活躍できる人材になれると私は思っています。
がんばってください。

#その他