Twitter Facebook
2023.07.14

「佐渡ロングライド210」~ハンガーノック~

教職課程(栄養教諭コース)担当の森泉哲也です。

 

 今回の題名にある「ハンガーノック」というのは、エネルギー不足によって体が動かなくなってしまう状態、つまり運動中に陥る極度の低血糖状態のことです。
予防策として、エイドステーション(AS)という水分や栄養を補給できる場所が20km40kmおきに設けられています。
また、ハンガーノックは突然訪れるともいわれています。その症状には4段階あり、私の場合、レベル3~4(力が入らなくなる、意識が朦朧とする、意識を喪失する)の状態に突然襲われました。

 

両津(100km)を過ぎ140kmのASも過ぎて、160kmのASの5km程手前だったと思います。気持ちよく集団走行していたのです。もう少しスピードを上げてもいいとさえ思っていました。と、突然ペダルを漕ぐ足に全く力が入らなくなったので「ちょっと休む」と告げて集団を抜け道路脇にバイクを止めた直後、意識を失い座り込んでしまいました。

「大丈夫ですか」。見知らぬ方の声で我に返りました。若い方で、ファットバイクという太いタイヤの自転車で210kmコースに参加している方ですから、かなりの実力者と思われます。「これを差し上げます。頑張ってください。」と手渡されたのは、エネルギー補給のゼリー飲料でした。しばらくすると力が戻り、何とか160kmのASまで自走することができました。仲間は待っていてくれましたが、そこでリタイアすることにしました。

 
敗因について考察してみることにします。

210kmコースのスタート時刻は6時。4時に起床し宿が用意したお弁当を食べるのは昨年と同様です。お弁当の内容も昨年同様でしたが、どういう訳か”私には”白身魚のフライと2つの唐揚げが喉を通りそうにありませんでした。しかし、貴重なエネルギー源ですから頑張って食べたのですが、今にしてみれば、これがそもそもの原因だったと思われます。というのも、胃のむかつきが治まらず、ASではスポーツドリンクの補給のみでしたし、両津での昼食も食べる気になれず味噌汁のみ、という状態だったのです。ハンガーノックの初期症状としての強い空腹感を感じなかったのは、アドレナリンの作用があったかもしれませんし、仲間と一緒だったから頑張れたことがマイナスに働いたのかもしれません。朝食で摂取した高々800kcalなど、両津に着く前に消費されていたことでしょう。

 

カーボローディングで一時的に筋グリコーゲン濃度を高めたとしても、12時間程度続く運動では、こまめなエネルギー補給が重要だということです。
ロングライドは200kmに近づくにつれ、栄養補給は必須条件になるといわれています。知識としては分かっていたのですが、ガス欠状態で激しい運動を続けることが、どれ程恐ろしい結果を招くことになるのか身をもって味わいました、というお話でした。

#その他