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2024.09.06

「納涼」と「暑気払い」

 川上です。フェーン現象で猛暑となった8月某日、大学の教職員向け納涼会がありました。その納涼会、今年度は健康栄養学科が幹事担当学科ということで、幹事に任命されバタバタしましたが、幸い当日は大きなトラブルもなく無事に終了しました。

 

 

幹事と一目でわかる写真①

幹事と一目でわかる写真②

 

 まぁ、学生が一人もいない年配者だらけの納涼会の紹介をしてもねぇ・・・ということで、今回は納涼会に関連して、「納涼」と「暑気払い」は何が違うの? という話です。写真と全然関係ないから!

 

 「デジタル大辞泉」によれば、

「納涼」:暑さを避けるため、工夫をこらして涼しさを味わうこと。すずみ。

「暑気払い」:夏の暑さを払いのけること。暑さよけのための方法を講じること。

 

だそうです。・・・いまいち違いがわからない。

 

そこでさらに調べると、「納涼」は、一番暑い時期に水辺や木陰で涼むことを指し、特に平安時代の貴族は池に張り出した建物(釣殿)を作りそこで涼を得ていたとか。平安貴族が真夏に釣殿とやらで涼を求めて実施した催しが今の納涼会の起源に違いありません(個人の考えです)。納涼床、納涼船なども聞きますが、これも貴族の実施していたことが庶民に普及し今に至ったものかもしれません。昔はエアコンも扇風機もなく、日本の夏はともかく暑いですから、皆工夫したのでしょうね。

そして、「納涼花火大会」とか、「納涼肝試し」とかもよく聞きます。これらは、暑い季節にきれいな花火を見たり、または怖がらせたりすることで、それぞれ暑さの感覚を一時的に忘れさせる(脳に入力される暑さの感覚の情報量を低下させる)ことで暑さを避ける行為なのかもしれません(こっちも個人の考えです)。

 一方、「暑気払い」ですが、身体を冷やす食べ物や飲み物を摂取することで暑さを払いのける(暑さを乗り切る)、という意味合いがあるようです。平安時代には甘酒も飲まれていたそうです。しかも甘酒は俳句で夏の季語だそうで、これは初めて知りました。甘酒は、栄養価が高く、疲労回復などに効果があることが今では明らかになっていますが、平安時代はそんな情報を知る由もないのに、何故か甘酒を暑気払いに飲むようになったわけですから、昔の人達の経験則・体感はよほど鋭敏だったのでしょう。他に体を冷やす食べ物には、トマトやキュウリ、スイカ等、夏が旬の食べ物が多いようです。旬のものを食べるとおいしく感じる、という話にも通じるかもしれません(現に旬の食べ物は、他の時期に収穫したものに比べて栄養価が高いことが分かっています)。

 

 今年は暑い期間が長引きそうなので、毎週一人納涼会しよう 

#その他