こんにちは。健康栄養学科教員の増田です。
以前、「代替肉」について、このブログを書いたことがありました。今回は、少し前になるのですが、私が1年前期webオムニバス授業「食を楽しむ」で取り上げた、プラントベース(植物性)の食事の内容を少し紹介し、また、この際に得られた、学生の言葉を共有したい。そして、皆さんにも、普段何気なく食べている食材が抱える問題について、気づくきっかけになれば幸いです。
まず、授業で話した内容(プラントベースの食事選び)について紹介します。
我々が生きる土台である地球は、地球温暖化の影響を強く受けています。昨今、世界各国で平均気温が上昇し続けており、夏はとても暑く感じますよね。南米アマゾンの森林火災もこの影響です。
気候変動枠組み条約の中で、2021年に、イギリス・グラスゴーで開かれた第26回会議(COP26)では、2050年までの世界全体の目標として「カーボンニュートラル」、すなわち、二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにすることが掲げられました。日本は世界第3位のCO2排出国であり、2030年までの途中経過として、CO2排出量の削減率を2013年度に比べて46%減らすことが目標となっています。しかし、現状では、目指す温暖化抑制が不可能だと言われています。
そして、この11月6日(日)には、ちょうどエジプトでCOP27が開幕したところです。新聞の見出しにも、今回の会議では、温暖化抑制策の加速が焦点だと書かれていました(新潟日報2022.11.7)。
このように、地球温暖化は、我々人間が招いた問題であることが明白なのですが、これらを一人一人が意識し、改善に取り組むまでには、なかなか繋がっていかないのが現状です。
ところで、地球温暖化を招く要因の第一位は、「食べ物」だと見積られています。これは意外に思われるかもしれません。実に、世界のCO2排出量発生源の3分の1が「食」に関係があることがわかってきました。したがって、地球温暖化対策として、「食べ物」への着手は多大な改善が見込めます。
具体的には、食糧の生産過程に要因があります。皆さんがよくご存知であろう、食糧廃棄はこの要因の主です。
加えて、特に森林伐採が非常に深刻化しています。家畜動物の飼育数が増えすぎているためです。家畜の放牧、また、飼料(エサ)である大豆を育てるために、なんと地球の陸地の1/4という非常に広大な土地を利用しているそうです。つまり、CO2を吸収する役割を担う土壌や木々が、次々に森林伐採されてしまっているのです。
しかも、現在、世界人口は増加しており、2050年には98億人に達すると言われています。これを考慮すると、これらの食糧を確保するには、2010年と比べて56%多くの食糧を生産しなければならないことが見積られています。
そこで、授業では、家畜動物を減らし、温暖化対策に大きく貢献し得る一つの提案として、プラントベース(植物性)の食事へのシフトを挙げてみました。
この内容については、次回の記事をお楽しみに。ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。