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2023.03.10

ポリフェノールの抗血栓効果

こんにちは。生化学担当の田村です。

ポリフェノールって知っていますか?

ワインに入っている!とか、野菜に入っている!とか聞いたことあるかもしれませんね。

ポリフェノールは植物由来の物質で、実は8000種もあるのです。

例えば、香辛料のクミンとか、お茶に入っているカテキンとか。タマネギにはケルセチンというポリフェノールが含まれています。

ポリフェノールには、身体にとって良い効果がいろいろあるのですが、当研究室ではポリフェノールの血栓形成の抑制効果について研究しています。

血管が損傷すると、出血を止めようと血小板が集まって血栓を作ります。この血栓は止血という良い働きもするのですが、過剰に出来すぎると血管が詰まって、脳梗塞や、心筋梗塞などを起こしてしまいます。糖尿病や、加齢ではさらに血栓はできやすくなります。

当研究室ではヒトの血液を灌流し、血栓をガラスプレート上に再現する血小板血栓モデルを使って、蛍光顕微鏡で血栓の成長を観察する実験を行なっています。

小さい粒状に見えるのが血小板です。細胞同士が集まって、島状に血栓を作る様子がわかりますか? 

わずか2μmの小さな細胞ですが、集まると強力です。

4年生になるとゼミと呼ばれる研究室に所属し、3月くらいから11月くらいまでの間、研究テーマを決め、卒業論文を書くための研究を行ないます。

当ゼミの4年生は、血小板が血栓を作るために必要なタンパク質(VWF:フォンビルブランド因子)を精製し、ケルセチン(タマネギに多い)と、ルテオリン(ピーマンに多い)、そしてゲニステイン(ダイズに多い)による血小板とVWFの接着抑制効果について検討しました。11月にはオンラインでしたが、卒業研究の発表会も行いました。

気になる研究成果ですがまた今度ご紹介しますね。

1つのテーマについて掘り下げていく、研究って面白いですよ。

 

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